2017年12月8日金曜日

Patrice

久しぶりの投稿になります。
最近、お店に来店いただいたお客様から作品を製作した経緯などを聞かれることが立て続けにありましたので、これをきっかけに放置気味だったブログに作品のコンセプトや製作したきっかけなどを書いていこうと思います。
今回は一番人気のPatrice/パトリスを取り上げます。

この作品は約30年手作りの腕時計を製作し続けている会社JHAで修理担当として働きながら自分の作品を出していたころに製作した作品です。
確か最初に製作したのは2010年できっかけは修理に届いた大量の緑青がついた時計でした。
海沿いに住んでいる方で潮風にあたり続けたのが原因かもとのことでしたが、その時計ケースについた緑青をクリーニングしているときにこの緑青を使って文字盤を作ったら面白いかも!と思いつき試行錯誤した結果、緑青を出すことで海(Ocean)森(Forest)の色合いに、赤錆を出すことで大地(Earth)の色合いになったことから地球をテーマにしました。
そこでテーマに合わせ時計ケースに丸みを持たせようとすると少し厚みを出す必要が出てきて、厚みに理由を持たすために思いついたのが浮かせた数字でした。
最初の時点ではすべての数字を浮かせたのですが結果として文字が五月蠅くなってしまい、偶数のみを浮かすことでバランスを取り奇数を文字盤にいれることで現在の形に近づきました。
ただもう少し遊びが欲しくなり考えたのがARKRAFTの初期の作品で多いアラビア数字とローマ数字を組み合わせた文字盤でローマ数字を文字盤に印刷することでしっくりと来たので完成としました。
この作品はOceanの色合いを気に入ってご購入ただくことが多いのですが、光の加減でたまにローマ数字の開いた隙間に浮き数字の影がきれいに映り込む時も魅力の一つだと思います。

製作側としても作る度に文字盤の色合いや風合いが違うため楽しい作品ですのでこの作品は今後も作り続けていく予定です。


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