2017年12月21日木曜日

Drake

クリスマスも近づき2017年も残り少なくなりました。今年もありがたいことに蔵前のお店やオンラインショップで多くのクリスマス向け注文をいただきました。
今年は27日までの営業となりますが26日までの注文でしたら店頭在庫のみ年内発送可能です。

今回のブログも作品紹介を書かせていただきます。
初期からの定番作品「Drake」を紹介いたします。
この作品は2010年に製作し始めた作品できっかけは螺鈿細工の雑貨を見たことでした。
腕時計の文字盤に貝を使用するのは昔から定番的にあります。でも基本は白蝶貝で青貝を使用したものはあまり見かけたことはあまりなかったのですが、青貝の華やかな光の反射に惹かれどうしても文字盤を製作してみたくなりました。
また当時は師匠や先輩の腕時計作家も貝を文字盤には使用していなかったので作家として活動し始めたばかりの自分の独自性も出せると思い試作品を製作し始めました。
試作品では貝の美しさを前面に押し出すためシンプルな文字盤にしたのですが少し面白みにかけてローマ数字のクラシカルな雰囲気の文字盤をあわせてみたらかなり良い雰囲気になり、そこにアンティークの掛時計などでよくみられる形の針を合わせることで青貝に負けない華やかな雰囲気の時計が完成しました。
現在では白蝶貝でも文字盤の製作を始め、華やかな青貝には赤、透明感のある白蝶貝には青でアラビア数字の24時間表記と分表記を差し色として入れています。
時計サイズもSmall.Medium,Largeの3サイズ展開し今でも人気のある作品になっています。

2017年12月8日金曜日

Patrice

久しぶりの投稿になります。
最近、お店に来店いただいたお客様から作品を製作した経緯などを聞かれることが立て続けにありましたので、これをきっかけに放置気味だったブログに作品のコンセプトや製作したきっかけなどを書いていこうと思います。
今回は一番人気のPatrice/パトリスを取り上げます。

この作品は約30年手作りの腕時計を製作し続けている会社JHAで修理担当として働きながら自分の作品を出していたころに製作した作品です。
確か最初に製作したのは2010年できっかけは修理に届いた大量の緑青がついた時計でした。
海沿いに住んでいる方で潮風にあたり続けたのが原因かもとのことでしたが、その時計ケースについた緑青をクリーニングしているときにこの緑青を使って文字盤を作ったら面白いかも!と思いつき試行錯誤した結果、緑青を出すことで海(Ocean)森(Forest)の色合いに、赤錆を出すことで大地(Earth)の色合いになったことから地球をテーマにしました。
そこでテーマに合わせ時計ケースに丸みを持たせようとすると少し厚みを出す必要が出てきて、厚みに理由を持たすために思いついたのが浮かせた数字でした。
最初の時点ではすべての数字を浮かせたのですが結果として文字が五月蠅くなってしまい、偶数のみを浮かすことでバランスを取り奇数を文字盤にいれることで現在の形に近づきました。
ただもう少し遊びが欲しくなり考えたのがARKRAFTの初期の作品で多いアラビア数字とローマ数字を組み合わせた文字盤でローマ数字を文字盤に印刷することでしっくりと来たので完成としました。
この作品はOceanの色合いを気に入ってご購入ただくことが多いのですが、光の加減でたまにローマ数字の開いた隙間に浮き数字の影がきれいに映り込む時も魅力の一つだと思います。

製作側としても作る度に文字盤の色合いや風合いが違うため楽しい作品ですのでこの作品は今後も作り続けていく予定です。